掲載日:2023年3月30日 更新日:2024年4月25日
これらを利用したスマートフォンと併せて「格安スマホ」と呼ばれています。
格安スマホとは
格安スマホとは、大手通信キャリアと比べて安い料金で利用できるSIMカードやeSIM、スマートフォンの総称で、主にMVNOから提供されている通信サービスのことを指します。
MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)」の略称で、格安SIMを中心に安価な通信サービスを提供している事業者のことです。MVNOは、大手通信キャリアの回線を借りることで通信サービスを提供しています。
これにより設備投資にかかる費用が抑えられるため、低価格な通信サービスを提供できています。
SIMカードをスマートフォンに差し込んで利用する
SIMカードとは、契約者を識別するための情報などが記録された小型のICカードです。スマートフォンに差し込むことで、音声通話やデータ通信ができるようになります。
MVNOが低料金で提供するSIMカードやeSIMを利用すれば、月々の通信費を安く抑えることができます。
eSIMは、端末本体にSIMが直接埋め込まれているものです。SIMカードは端末に差し込んで使用しますが、eSIMは埋め込み式のため物理的なSIMカードがありません。
格安スマホと大手キャリアの違い
格安スマホと大手キャリアの違いは下記の通りです。
- ・通信基地局や通信設備に対する投資
- ・利用料金
- ・データ通信の速度
大手キャリアはMNOと呼ばれており、自社の通信回線を保有しています。一方で格安スマホを提供するMVNOは、MNOの回線を借りて通信の提供を行っており、通信基地局や通信設備に対する投資が抑えられるため安い料金でサービスを提供することが可能です。
しかし、MVNOはMNOから決まった量の回線のみを借りているため、一度に流せるデータ容量が決まっています。そのため、多くの人が同じタイミングで回線を利用してしまうと通信速度が遅くなってしまいます。
格安でスマホを使える理由
格安スマホが安く使える主な理由は下記の通りです。
- ・自社で通信基地局を持たない
- ・データ通信専用のプランがある
- ・プランを自由にカスタマイズできる
格安スマホは大手キャリアに比べ設備に対する投資が抑えられており、その分安く提供ができます。
また、プランもさまざまな種類が用意されており、音声通話機能のないデータ通信のみのプランやオプションも豊富に用意されています。利用頻度やライフスタイルに合わせて自由にカスタマイズすることで無駄を省くことがきることも格安スマホが安く使える理由の1つです。
自社で通信基地局を持たない
格安スマホは、大手通信キャリアから回線を借りてサービスを提供しています。
そのため自社で通信基地局を持つ必要がなく、その分設備投資や人件費を抑えられているため安くサービスを提供できています。
データ通信専用プランがある
格安スマホには、音声通話機能のないデータ通信専用プランもあります。2台目のスマホを所有したい人や、タブレットを使いたい人におすすめです。
データ通信のみのプランは、音声通話ができない分利用料金をさらに抑えられます。
データ通信のみのプランにはSMS機能を追加することも可能で、SMSはメッセージのやり取り以外にもアプリなどの認証で利用することが多いため、必要な場合は追加を検討しましょう。
プランを自由にカスタマイズできる
格安スマホには豊富なオプションが用意されており、自分でプランを自由にカスタマイズできる点も大きなメリットです。
たとえば、以下のようなオプションがあります。
- ・10分以内の音声通話が定額で利用できる
- ・24時間制限なくデータ使い放題
- ・余ったデータ容量を翌月に繰り越せる
- ・5G通信を利用できる
自分自身の利用頻度や用途によってお得に使いやすいようにプランをカスタマイズできるのは格安スマホの特長の1つです。
格安スマホのメリット
格安スマホのメリットには、主に以下の2点が挙げられます。
- ・基本料金を安く抑えられる
- ・インターネットで手続きを完結できる
格安スマホは大手キャリアの回線を借りているため、設備投資にかかる費用が少なく済み基本料金を抑えられます。また、インターネットで手続きができるため自宅から好きなタイミングで申し込みできます。
基本料金を安く抑えられる
格安スマホと大手キャリアの大きな違いは料金です。名前の通り、格安スマホは大手キャリアと比べ料金を抑えて利用できることが最大のメリットです。
しかし、通話時間が長かったりデータ通信量が多い場合、契約しているプランによっては料金が高くなってしまう場合があります。
格安スマホのプランを選ぶ際は、データ通信の容量や通話の頻度などを考え、自分の使い方に合ったものを選ぶようにしましょう。
インターネットで手続きが完結できる
格安スマホは、多くの場合手続きをインターネットで完結できます。
MVNOは全国に店舗がある大手キャリアと比べて店舗が少なく、なかには店舗を持たないMVNOもありますが、インターネットで手続きできれば店舗に行く必要がなく自宅から手軽に契約ができます。
契約後SIMカードが自宅に届くので、初期設定等が自分のタイミングで行えるのも大きなメリットです。
格安スマホのデメリット
格安スマホのデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
- ・対面でサポートを受けられる店舗が少ない
- ・時間帯によって通信速度が遅くなってしまうことがある
格安スマホは、大手キャリアと比べて店舗が少なかったり、品質面では時間帯によって通信速度が遅くなる場合があります。しかし、使い方次第ではデメリットをあまり感じることなく利用することも可能です。
対面でサポートを受けられる店舗が少ない
大手キャリアと比較すると、格安スマホは店舗が少ないというデメリットがあります。
店舗を持たずサポートをインターネットや電話を中心に行うことで、人件費等のコストを抑え安価な料金を実現しています。
店舗の有無は、トラブル等が発生した際にある程度自力で調べて解決できる自信がある人にとってはあまり気にならないかもしれませんが、困ったときに対面でのサポートを希望する場合は近所に店舗がある格安スマホを選ぶと良いでしょう。
時間帯によって通信速度が遅くなってしまうことも
格安スマホは、時間帯によっては通信速度が遅くなってしまうケースがあります。特に、多くの人がスマホを利用する昼の時間帯はデータ通信の速度が遅くなりがちです。
これは、MVNOが大手キャリアから限られた回線量のみを借り受けしているためで、多くの人が同じタイミングで利用してしまうと回線が混雑して通信速度が低下してしまいます。
MVNO各社も通信品質の改善を重ねているため、実用性に欠けるほどの速度低下がみられるケースは少なくなっていますが、特長として覚えておきましょう。
キャリアメールは原則使用できない
大手通信キャリアから格安スマホに乗り換えると、それまで使用していたキャリアメールのアドレスは、原則使えなくなってしまいます。現在は無料メールサービスが普及しているので、不便を感じることはそれほど多くないと思われますが、キャリアメールをメインの連絡先として使用している場合、必要な連絡が届かなかったり、人間関係に支障が出てしまったりとトラブルの原因になる恐れがあります。
大手通信キャリアのなかには、こうした不便を解消するために、キャリアメールの持ち運びサービスに対応しているところもあります。有料ではありますが、メールアドレスを変更したくない人は確認するようにしましょう。
格安スマホはこんな方におススメ
格安スマホは、次のような人におすすめです。
- ・通信費を安く抑えたい人
- ・データ通信量がそれほど必要ない人
- ・2台目のスマホを持ちたい人
- ・Wi-Fiのない環境で、タブレットを安く使いたい人
- ・インターネットでの手続きをご自身でできる人
通信費を安く抑えたい人
格安スマホは、大手キャリアのメインブランドと比べてリーズナブルな料金プランを提供している場合がほとんどです。料金プランによっては、月々の通信費を4分の1程度まで抑えることもできます。
データ通信量がそれほど必要ない人
格安スマホはリーズナブルな料金が魅力ですが、通信キャリアによっては大容量のプランが用意されていない、もしくは用意されていても料金が割高に設定されている場合があります。
自宅をはじめとしたWi-Fi環境でスマホを使うことが多い人は、データ通信量がそれほど必要ないため、格安スマホに向いているといえるでしょう。
2台目のスマホを持ちたい人
格安スマホは料金が安いので、スマホを2台持ちしたい人にもぴったりです。仕事用とプライベート用に端末を分けたり、通信障害や災害時のサブ端末として活用したりと、用途に合わせてリーズナブルに使い分けられます。
Wi-Fiのない環境で、タブレットを安く使いたい人
Wi-Fiのない環境でタブレットをインターネットに接続するためには、端末本体にSIMカードを差し込む必要があります。しかし、そのためだけに回線を契約するとなると、通信費が気になるところです。
格安スマホのデータ通信専用プランであれば、それほどコストをかけずに済むため、ランニングコストを極力抑えつつ、出先でも快適にタブレットを使用できるでしょう。
インターネットでの手続きがご自身でできる人
格安スマホは店舗が少なく十分なサポートを受けづらいため、対面でのサポートに頼らずご自身でインターネット上で各種手続きを行える自信のある方は格安スマホに向いていると言えるでしょう。
格安スマホを申し込む際の手順
格安スマホを申し込む際の手順は、以下の通りです。
① 申し込みに必要なものを準備する
② 購入する端末を選ぶ
③ コースとオプションを選ぶ
格安スマホは、インターネット上で申し込みができるのが大きな特長です。
1.申し込みに必要なものを準備する
手続きを始める前に、まずは申し込みに必要なものを準備しましょう。申込時に必要なものと、準備する際の注意点について解説します。
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覚えておきたい注意点
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事前に、申し込みをするSIMが所有している端末、または購入予定の端末に対応しているかを確認しましょう。
また、同一名義で申し込みが可能な回線数が制限されている場合や年齢によって申し込みできない場合があるため、事前にキャリアに確認しておきましょう。
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申し込みに必要なもの
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格安スマホを申し込む際に主に必要になるものは以下の通りです。
- ・本人確認書類
- ・本人名義のクレジットカード
- ・連絡用メールアドレスと電話番号
- ・MNP予約番号
電話番号をそのまま乗り換えるには、MNP(ナンバーポータビリティ)予約番号を乗換前のキャリアから取得する必要があります。
MNP予約番号には有効期限がありますので、手続きの直前に取得するようにしましょう。
2.購入する端末を選ぶ
次に購入する端末を選びます。所有している端末が乗換先のSIMに対応していればそのまま利用することも可能です。
現在MVNO各社では多くの端末に対応しており、たとえば、mineoでは700種類以上の端末に対応しています。(2024年9月現在)
対応端末が多いことで、たとえば高機能なカメラを搭載している端末や大容量バッテリーを搭載した端末、おサイフケータイ搭載の端末など用途に合わせて自分に合った端末を選ぶことができます。
3.コースとオプションを選ぶ
利用する端末を決めたら、次はコースとオプションを選びます。
MVNO各社では、音声通話の有無や利用できるデータ容量などの基本的なコースから余ったデータ容量の翌月繰越や通話定額など、さまざまなオプションがあります。
音声通話は必要なのか、毎月どれぐらいのデータ容量を使っているのか等、ご自身の使い方に合わせてプランを選びましょう。
格安スマホに関するよくある質問
最後に、格安スマホに関するよくある質問をまとめました。
- ・今使っている端末のまま格安にできる?
- ・データ通信だけのプランはある?
- ・格安スマホで5G通信は使える?
それぞれについて詳しく解説します。
今使っている端末のまま格安にできる?
SIMフリーの端末であれば、現在使っている端末のまま格安スマホへ乗り換えが可能です。
SIMフリーとは、SIMロックがかかっていない状態を指します。SIMロックとは特定のキャリアのSIMカードでのみ利用できる状態のスマホです。
SIMロックを解除することで端末をSIMフリー状態にすることも可能で、SIMロックの解除の方法は各キャリアのHPで確認できます。
なお、SIMロックがかかった状態の端末であっても、auから購入した端末にはそのままau回線の格安SIMが利用できるように、回線元のキャリアが同じであれば必ずしも乗換時にSIMフリー状態にする必要はありません。
もちろん、乗換先のSIMに対応している機種でないとそもそも利用ができませんので、事前に対応機種を調べておきましょう。
データ通信だけのプランはある?
格安スマホには、「データ通信専用SIM」と「音声通話機能付きSIM」があります。
データ通信のみのプランは音声通話機能がない分料金も安く抑えられることができるので、2台目以降のスマホやタブレットで利用したい方におすすめです。
格安スマホで5G通信は使える?
格安スマホでも5G通信を利用することは可能です。
ただし、追加料金がかかったり5G通信が利用できるプランが限られていたりする場合もありますので、契約前に料金やプランを確認するようにしましょう。
格安スマホは手続きが簡単で料金を大幅に下げられる
本記事では格安スマホについてメリット・デメリットや乗り換えの手順などを説明しました。
格安スマホは、大手キャリアと比べると通信速度が遅くなる時間帯があったり、サポートを受けられる店舗が少なかったりします。
しかし、特長を理解した上で利用すればコストパフォーマンスは抜群です。
また、料金が安い上にインターネット上で簡単に手続きができて電話番号や端末もそのまま利用できるため、手軽に乗り換えることができます。
格安スマホを上手に活用することで毎月のスマホの料金を大幅に抑えられますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。